2007シーズンJ1リーグ第27節
浦和レッズ 1-0 アルビレックス新潟
苦しい試合になることは分かっていた。
それでも、前半のうちに3点奪うことができれば選手を休ませることができると、勝手なことを考えてもいた。ベンチ入りした小池や細貝に、先発とは言わずとも出場の機会を与えてみても良かったのではないかと。
きっと、負けていればいろんなバッシングが始まったことだろう。大宮に敗れたときのように、たった1つの敗戦が、これまで勝つことで封じ込めていた疑問や不満を爆発させてしまうこともある。それはサポーターやメディアのような”外野”に顕著に表面化するものだと思うが、選手にとっても敗戦により倍増する疲労感が、徐々に自分達を追いつめていって自滅し、そして緊張の糸が切れてあっという間に泥沼にはまっていく。万博で我が浦和レッズに敗れてからのガンバがそうだっただろうし、ACLの合間のリーグ戦で結果を出せなかった川崎もそうだった。
浦和レッズにとっても決して他人事な話ではないはず。欧州のフットボールシーンにおいても、チャンピオンズリーグで敗退したチームが国内リーグ戦でも失速する例は数多くあるはずだ。たったひとつの敗戦が、全てのリズムを崩してしまう危険性。今日の新潟戦はそんな要素が隠れていたと思う。
だからこそ重い展開になることは予想していたし、ドローも覚悟をしていた。さすがに焦り始めた試合終了間際の勝ち越しゴールが決まった瞬間のあの興奮は、韓国アウェイで味わったものとはまた違った、でも非常に格別なものだった。
ロブソン・ポンテのゴールはそんな格別なものが多い。昨シーズン優勝を決めた最終節での同点ゴール。その前の川崎戦でも負の空気を一掃した同点ゴール。卓越した技術と、流れを読む力、そして経験。全てを併せ持つ最高の選手が浦和にいる。
試合終了後、インタビューに答えただけで下がっていった英雄に、どうしてもエールを贈りたい”わがままな”サポーターが止めなかったポンテコール。それに応えて場内に再登場したポンテ。その英雄をバックアッパーから目で追いながら、この男が浦和レッズに在籍していることを本当に幸せだと思った。